利用者主体の介護でADLを維持

高齢化が進んでいる今、在宅で家族と共に過ごしている高齢者が増えています。自宅で過ごされる高齢者と介護する家族という家庭環境はこれからも増え続けていくでしょうが、その時の家族の身体的、精神的負担は計り知れないものです。そのときにサポートしていくのが介護士です。

在宅介護をする上で介護士が気をつけることは、利用者のADLを下げずに今までの生活を送れるようにすることです。なぜなら、老化が進むにつれてその人のADLは絶対に下がるものであり、下がったものを上げるのは非常に難しいです。そのため、介護士としてはその人のADLを維持するように、家族と共に予防していくことがとても大事です。

具体的にADLを維持するには利用者の身の回りのこと、出来ないこと全てを介護するのではなく、例えば服のボタンもつけにくい一番上のボタンだけつけてから服の下の方を少し引っ張るように整えて残りのボタンを付けるように促したりなど、ほんの少しだけ手伝ってみてその人がやりやすいようにサポートすることが大事です。

つまり利用者を主体にした介護を行い、できる範囲でもこれはできるという自立心をしっかり残すような介護をすること、また利用者自身ができることを家族と共有しそこを尊重することで、利用者は己の役割を持ち己の存在意義を強く持つことができるようになります。また家族も利用者自身ができることが増えることで相対的に負担が減っていきます。なので出来ないことを全て手伝うのではなく、出来ないことをできるようにするような介護をすることを家族と共に行っていく事が、利用者にとっても家族にとっても大事なサポートに繋がるのです。